横組の性格と指定
新聞組版に使用している文字(A文字・T文字・L文字・1.5倍)は、縦組を目的にして、小さなスペースで読みやすくなるようにデザインされた偏平の文字ですから、横組に使用する場合は、行間(行と行とのアキ)は、縦組の場合よりも少し狭くしたほうが読みやすくなります。
この行間をどれだけあけるかは自由ですが、「横組の標準行間」を定めて、編集・組版の作業の円滑化をはかっています。
横組の場合は、記事の内容や掲載目的にふさわしい行間のイメージが、慣れないとつかみにくいものです。下の作例は、L文字の「標準行間」を示したものです。この作例を目安にして、行数と天地の寸法を計算してください。
「倍数」というのはベタ文字の縦の寸法を1倍とし、これを基準に「○○倍」と呼んでいます。このため横組で間違いやすいのは編集者が横の字詰で指定したつもりなのに、組みあがったものはイメージした寸法と違うということがあります。「○○倍」と指定されていれば、工場では「タテの倍数」の寸法で組んでしまうからです。横組の字詰を指定するときは必ず「横組○○字詰」と記入するようにしましょう。