段違い組みの性格と指定
新聞の記事本文は、一定の定められた字詰(基本字詰=あかつき印刷は(1)L文字12字詰、(2)A文字11字詰、(3)T文字11字詰、(4)1.5倍10字詰)で組みます。
しかし、記事の前文や論文、方針、小説などは、基本字詰で組むよりも、これを変化させた「通し組み」や「段違い組み」にしたほうが読みやすくなり、紙面の単調さもふせいでくれます。
通し組み
「通し組み」というのは、記事を二段、三段分通す組みかたのことです。これを「二段ヌキ」「三段ヌキ」ともいいます。
例えば、L文字使用の場合で二段通し組みにするときは、基本字詰が12字詰ですから〈12×2〉24字詰で組み、中段ケイに相当する一字分は「天アキ」といって、各行の一番上を全部一字分あけて組みます。したがって、収容字数は1段組みの場合とほとんど変わりません。
この場合の指定は、必ず『天アキ2段ヌキ』と指定します。この指定を書き忘れると基本字詰(12字詰)で組みあがってきますから注意しましよう。
段違い組み
「段違い組み」は、1行の字詰を基本字詰より多くして組むもので、四段を三等分した「四段三ッ割」、五段を三等分した「五段三ッ割」、三段を二等分した「三段二ッ割」などがあります。
この場合の段と段との間のアキの標準は1行19字詰程度までは1字分、20字~28字詰程度までは1.5字分、それ以上は2字分あけます。
また、行間も24字詰以上になると普通行間では狭くて読みにくくなりますから、行間を若干広げる必要があります。
例えば、L文字使用の新聞で「四段三ッ割」にしたい場合、四段の総字数は12字×4段+段間(段と段との間のアキ)分3字で51字あります。これを三ッ割にすると段間が2ヵ所ありますから、段間分2字を引いた残りを三等分し、端数は段間を広げて調節すると1行の字詰は16字となります。
《カコミ》の場合は天地に飾りケイが入りますから、1行の字詰は1字分少なくなります。