カコミ・タタミの性格と指定
《カコミ》の左右の寸法は、「左右○○行」と指定されている場合は、指定どおりの幅で組みますが、指定のない場合は、記事の長さや見出しの大きさにあわせて指定の段数で組みます。組みあがってきてから組みかえを指示せず最初に行数計算をしておきましょう。
天地4段のカコミ
上左の実例は、上右の指定原稿で組んだものです。この実例の中で述べている点に注意し変化ある紙面をつくりあげましょう。
《カコミ》の変形として天地だけ飾りケイを入れたものや、四隅だけを飾りケイでおさえたものなど、さまざまな形があります。
下の実例は、上のカコミの本文を「4段3ッ割」にして変化をつけたものです。
記事の内容や紙面全体のバランスを考えあわせて工夫していくことが大切です。
カコミの字詰
弊社の新聞組版システムでは、使用する本文文字の大きさと段数に応じた標準字詰数と段間がパターン化されていますから、字数の変化による行数に留意しましょう。
《カコミ》の字詰は、天地にケイが入るため、その分だけ字詰をへらす必要があります。したがって基本字詰の場合より行数が増えてきます。このことを忘れずに行数計算をすることが必要です。
天地4段を3ツ割にしたカコミ
カコミ幅の計算
左右の寸法を計算するには、(1)本文の行数を正確に数えます(2)これに見出しスペースの総行数を加えます(3)さらに写真や図表を入れる場合は、そのスペースの総行数を加えます(4)この合計を組みたい段数で割ったものに、左右のケイ(それそれ1行分)を加えたものが《カコミ》の左右の寸法になります。
最初(1番上)の実例は、L文字を使用しています。この場合、基本字詰は12字ですが天地に飾りケイが入るため11字詰になります。本文の行数を1行11字詰で数えると45行、これに見出しのスペースは5行×3段分で15行を加えると総行数は60行となり、これを4段で組みますから60÷4で本文と見出し部分の幅は15行、これにケイのスペースとして左右に各1行分を加えると《カコミ》の左右寸法は17行分となります。
本文記事の原稿が、組みたいカコミの字詰で書かれている場合は、見出しスペースなどを加えて左右の行数を計算し、これに左右の飾りケイのスペース分を加えます。
本文記事が、これ以外の字詰で書かれている場合は、まず組む《カコミ》の字詰に換算してから計算します。
換算する場合に注意したいことは、新聞の組版では句読点やカッコ記号などの「やくもの」のとじる部分が行の頭にくる場合には禁則処理がおこなわれるため行数が増える場合があります。また、文中を改行する場合も若干、行数が増えますから、この修正をきちんとすることが大切です。
カコミの指定
記事を《カコミ》にしたいときは、提稿の際、組みたい型の指定図を書いて原稿に添えます。
指定には……
- 組みたい段数と左右の行数
- 使用する飾りケイの種類
- 写真・マンガ・地紋見出しなどを入れる場合は その天地・左右の大きさと位置
- 見出しの位置と見出し文字の書体と大きさ
- 写真説明などを入れる場合は説明文と位置
- 表組みなどが入る場合も、その天地・左右の寸法と位置
どの必要事項を漏れのないように記入します。
見出しや写真説明などは、さらに別紙に書き、文字の書体と大きさを指定して本文の原稿、〈カコミ〉指定原稿とともに提稿しましょう。